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世界中が追悼、エリザベス女王。今回はその彼女とオーストラリアの繋がりについて。Australia’s relationship with Queen Elizabeth

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こんばんは、シドニーマンです。

英連邦エリザベス女王が2022年9月8日(木曜日)、静養先のバルモラル城で死去しました。

このニュースは世界中を駆け巡り多くの人々が悲しみにくれています。日本では天皇、皇后両陛下が国葬に参列を検討しているようですが、オーストラリアはどうなのでしょうか?首相であるアンソニー ノーマン アルバニージー (Anthony Norman Albanese )が国葬に出席する予定です。

オーストラリアに住んでいるので個人的にエリザベス女王とオーストラリアの繋がりが気になってしまって調べてみました。

*天皇、皇后両陛下の参列が検討されている英連邦エリザベス女王の国葬ですが、天皇が前天皇と皇太后(ご自身の両親)以外の葬儀に出席した例は長い歴史のなかで、1993年8月に平成の天皇、皇后(上皇、上皇后様)が参列したベルギーのボードワン国王の葬儀だけのたった1度だけみたいです。本来天皇は国内外を問わず葬儀にはほとんど参列しないのが慣例ですが、エリザベス女王と皇室は、昭和天皇、上皇様、天皇陛下の3代にわたる交流があり、これまでの関係を踏まえての判断になりそうです。

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オーストラリアへの最初の訪問はいつ?

オーストラリアへはいつ来られたのか?最初の訪問は1954年です。この時がオーストラリアへの最初の訪問です。

1954年2月3日、エリザベス女王2世とエジンバラ公フィリップ王子は、オーストラリアでのロイヤルツアー(1954 The Royal Tour)を開始するためにシドニーのファームコーブに到着しました。君臨するイギリス君主がオーストラリアを公式に訪れたのは初めてであり、エリザベス女王陛下はこの時、

「シドニーがこれまでに訪問した中で最も盛大な歓迎を受けた」

と述べています。

こちらのサイトで当時の様子が記録されています。

ロイヤルツアー(1954 The Royal Tour)

https://www.records.nsw.gov.au/archives/magazine/galleries/the-1954-royal-tour

この時の日程は観光する時間があまりなかったようです。58日間のオーストラリア滞在日程で、ノーザンテリトリー準州(NT)州都ダーウィンを除くその他の州都を含む57の街や都市を訪れなければならなかったからです。

この時のエリザベス女王は27歳でした。

58日間で57の街や都市を公務とはいえ訪問。68年前です。今よりも交通の便は良くはなかったと思います。それを行っているわけです。

結局彼女はオーストラリアに計16回訪問してくれています。

当時のシドニーでの様子

State Archives Collection
Making history every day

この当時のシドニーの様子ですが、特大フィーバーだったようです。

ロイヤルツアー(The Royal Tour)の日程では、1954年2月3日から18日の期間、ニューサウスウェールズ州に滞在しシドニーとニューサウスウェールズ州内各地を訪問しており、シドニーの公共の建物や公園の訪問や多くのイベントの出席がスケジュールに含まれていました。

エリザベス女王とその御一行様がシドニー港に到着すると当時のシドニー人口の半分以上であるであろう100万人の群衆に迎えられたそうです。そしてそれはオーストラリア史上初のテレビ放映イベントで、新聞報道関係者や物凄い数の一般の人達が王室が通るルートに並び、交通マヒが生じたため、「前例のない混乱」と後に発表されています。翌日には「非公式の休日」とも言われました。

正直100万人の群衆は随分と思いましたが、どれだけエリザベス女王がこの国の人達に愛されていたのかは分かります。

このロイヤルツアーは、この時までオーストラリアで計画されているイベントの中では最大級で、エリザベス女王の発言を聞くために制服を着た10万人以上の学童が採用されたり、ニューサウスウェールズ州教育省は王室訪問のための記念運動帳を発行もしました。

ちなみにビクトリア州(VIC)でも

ここからはお隣メルボルンがあるビクトリア州(VIC)での出来事です。

サンレイシアデイリー(Sunraysiadaily)によると、ビクトリア州(VIC)の北部の町ミルデューラ(Mildura)で、女王とフィリップ王子が到着するのを待っている間、約200人が暑さで気絶したと報じています。

How Sunraysia celebrated Royal couple’s historic visit
THE greatest day in the history of the north west" happened on March 1954, when Queen Elizabeth II and the Duke of Edinburgh Prince Philip arrived in Mildura. A...

クイーンズランド州(QLD)にも訪問

ロイヤルツアーではクイーンズランド(QLD)にも訪れていました。実はクイーンズランド州(QLD)、1947年にエリザベス女王の結婚式のために缶詰のパイナップル500ケースを贈呈していました。

最後の訪問は2011年

彼女のオーストラリア訪問は2011年が最後となりました。

実はオーストラリア国内では高齢のためこの年のオーストラリア訪問が彼女の最後の訪問になるかもしれないと考えられていたため、オーストラリアのイギリス王室関係者からは彼女の「さよならツアー Farewell Tour」と呼んでいました。

Queen arrives for Australian tour - BBC News
The Queen arrives in Australia for an 11-day tour of the country, ahead of a meeting of Commonwealth leaders in Perth next week.

85歳の君主と当時90歳の夫のフィリップ王子は、旅行中にキャンベラ、ブリスベン、メルボルン、パースを訪れ、何千人もの人々に迎えられました。

2011年エリザベス女王のオーストラリアへの最後の訪問時に、ハリウッド俳優のヒュー・ジャックマンは次のように述べています。

「オーストラリアの政治家や共和党員でさえ、エリザベス女王に大きな敬意と愛を持っています。」

https://ichef.bbci.co.uk/news/800/cpsprodpb/09FC/production/_126665520_royal_family_tree_10_sep_2022_976.png.webp

Queen Elizabeth II has died. She was 96
The new King Charles III said the death of his beloved mother was “a moment of the greatest sadness for me and all members of my family”.
Queen Elizabeth II dies: What happens next?

オペラハウス

オペラハウスにエリザベス女王を映し彼女を偲んでいます。

彼女がどれだけオーストラリアの人達に愛されていたのかよく分かります。

オーストラリア紙幣と硬貨にも

オーストラリアの紙幣と硬貨にもエリザベス女王があります。

エリザベス女王は、5ドル($5)紙幣、2ドル($2)硬貨、1ドル($1)硬貨、50セント(¢50)硬貨、20セント(¢20)硬貨、10セント(¢10)硬貨、5セント(¢5)硬貨にそれぞれあります。

英連邦女王とはいえオーストラリアは別の国。その別の国の紙幣と硬貨に使われているのは彼女だけではないでしょうか。

オーストラリア紙幣

オーストラリア紙幣は、

100ドル($100)、50ドル($50)、20ドル($20)、10ドル($10)、5ドル($5)

の5種類があります。どの紙幣もプラスチック製で水に濡れたからといって破れるようなことはないですし、手で引き裂いたりすることもできません。透かしの部分には透明のフィルムが使われており、偽造しにくい工夫が施されています。

5ドル()紙幣

こちらがオーストラリア5ドル($5)紙幣です。

表側

裏側

表側にはエリザベス女王が描かれていて、裏側にはオーストラリアの首都キャンべラにある国会議事堂が描かれています。

オーストラリア硬貨

オーストラリア硬貨には、

2ドル($2)、1ドル($1)、50セント(¢50)、20セント(¢20)、10セント(¢10)、5セント(¢5)

の6種類あります。

ドルコインは金色、セントコインは銀色で、それぞれ数字で何ドル/何セントと硬貨に表記されています。

2ドル()硬貨

2ドル($2)硬貨の表側にはエリザベス女王の肖像。裏側には数字で2ドルの文字と、先住民アボリジニ、そして南十字星が描かれています。

1ドル()硬貨

$1コインの表側(写真左側)にはエリザベス女王の肖像。裏側(写真右側)には1ドルの文字と5頭のカンガルーが描かれています。

50セント(¢50)硬貨

50¢コインの表側(写真左側)にはエリザベス女王の肖像表側。裏側(写真右側)には、50セントの文字とオーストラリアの国の紋章とカンガルーとエミューが描かれています。

エミューはオーストラリアで2番目に大きな飛べない鳥で、国鳥に指定されています。

ちなみに、50セント(¢50)硬貨はオーストラリアドル硬貨で一番大きなサイズです。

20セント(¢20)硬貨

20セント(¢20)硬貨の表側(写真左側)にはエリザベス女王。裏側(写真右側)には20の文字とオーストラリア固有種であるカモノハシが描かれています。

実はカモノハシは世界最古の哺乳類で、卵で生まれてお乳を飲んで育つ非常に珍しい単孔目の哺乳類動物なのです。

2000年シドニーオリンピックのマスコットキャラクターにもなっておりました。シド(Syd)がそうです。

10セント(¢10)硬貨

10セント(¢10)硬貨の表側(写真左側)にエリザベス女王。裏側(写真右側)には10の文字とコトドリ(オーストラリアの鳥)が描かれています。

5セント(¢5)硬貨

5セント(¢5)硬貨の表側(写真右側)にはオリザベス女王の肖像。裏側には5の文字とハリモグラが描かれています。

ハリモグラはカモノハシと同じく単孔目の哺乳類で、砂漠地帯を除くオーストラリア全域に生息する固有種で全長は約30~50cm、その名の通り鋭い針によって体全体が覆われています。

このハリモグラも2000年に開催されたシドニーオリンピックではマスコットキャラクターに採用されていました。

ミリィ(Millie)がそうです。

つまり、オーストラリア全ての硬貨にエリザベス女王が描かれている訳です。

Australia’s national public holiday of mourning for Queen Elizabeth II

9月11日(日曜日)朝、オーストラリア首相 が2022年9月22日(木曜日)をNational Public Holiday(ナショナルパブリックホリデー)にすると発表しました。

これは9月19日(月曜日)にエリザベス女王の葬儀が行われるため、オーストラリア首相が出席。そしてオーストラリアに帰国してきてオーストラリアでもう一度エリザベス女王を偲ぶ為。

*mourningは日本語で喪服という意味です。

New public holiday for Australians announced after Queen’s death
The Prime Minister confirmed the news on Sunday morning, revealing Australia will have a public holiday in memory of the late queen.
Australia's national day of mourning for Queen Elizabeth II to be public holiday - ABC News
Queen Elizabeth dies: Australia to hold a national day of mourning, may be a public holiday

今後はどうなる?

チャールズ皇太子はすぐに即位し、チャールズ新国王になりました。

新国王になって1番の公務がエリザベス女王の葬儀。

自分の母親の葬儀が1番の公務。どんな気持ちで行うのでしょうか?

ユーチューブで見つけた動画ですが、新国王が女王に向かって、ママ と言うセリフに彼の思いを感じました。

この時しか言えません。女王に向かってママとは。

まとめ

毎日のようにイギリス国内でエリザベス女王が亡くなられて悲しみに暮れている人々のニュース見ます。どれだけ偉大であり影響力があったかが分かります。

オーストラリアも紙幣と硬貨に彼女が描かれていたり、急遽オペラハウスに彼女を投影したり9月22日(木曜日)を休日にして彼女を偲ぶ程です。

オーストラリアとエリザベス女王との強い繋がりを感じます。

今後は彼女の息子チャールズ新国王が舵取りを行う訳です。

お母さんに負けないよう頑張って欲しいです。

エリザベス女王 Queen Elizabeth

1926年4月21日生まれ2022年9月8日 96歳でその生涯を終えました。

ご冥福をお祈り致します。