こんばんは、シドニーマンです。
2022年2月から鎖国が解かれているオーストラリア。新規入国者や新規入州者はいるのですが、まだその方々は仕事を探すよりもオーストラリアやシドニーを楽しんでいる感じがしています。なのでレストランで働いているこちら側としては今までより多くのお客様が来店してくる訳でその激務を日々こなしていかないと行けない状況なのです。
2022年2月21日(月曜日)以降

2022年2月21日(月曜日)、この日から国外からオーストラリアに一般の人々が入国出来るようになりました。勿論新型コロナウイルスワクチン3回目接種が済んでいる。出国48時間以内にPCR検査を受け陰性(Negative)の結果を提出出来ている等の条件がありましたがとにかく鎖国が解かれました。そして今は6月。その時から約4ヶ月が経ちました。
ロックダウン時と比べて

2020年3月下旬に行われた新型コロナウイルスへの対抗策ロックダウンから昨年のコロナ騒動やワクチン接種、2022年2月に入る頃まで何かとその時の情勢に合わせた規制がありました。
シドニー飲食業界で言えば、ロックダウン期間中は営業できなかったり、店内飲食が出来なくなり持ち帰り営業(Takeaway)だけになったり、ワクチン接種が進むにつれソーシャルディスタンスを考慮した上での店内飲食が可能になったり、入店時にはQRコードを読み取る事が必修だったりとその時の規制に合わせた形で持ちこたえてきました。
この期間中は鎖国をしていたし他州への移動も制限が掛けられていたりしたため新規入国者、もしくは新規入州者がほとんど居ない状態でした。海外留学生やワーキングホリデーの方達はビザや学校のコースの関係で毎日大変多くの人達が帰国していきました。帰国者はいる。新規入国者や入州者は殆どいない。こうやってオーストラリア国内にいる人の数が少なくなっていきました。今日まで続いている人手不足の始まりです。しかしニューサウスウェールズ州政府からの補助(Jobkeeper,JobseekerやDisaster Payment)があったので、手洗い、うがい、外出時にはマスク着用をしっかり守っていれば収入の補助があったので仕事が難しくて収入が無くても何とかしのげたものです。
それが今のシドニー。バスや電車等の公共機関を利用する際にはマスク着用と言われていますが、それ以外には特に規制が無いような感じです。
ニューサウスウェールズ州(NSW)内にいる限りコロナ前にかなり近い状態です。この状態なので州政府からの補助はありません。
コロナ過では、州政府から補助があったり、規制に沿ってレストランの営業形態が変わっても皆さん同じでしたからちょっとこの時に来店してきたお客様には話せばわかってくれました。
ですが、今はコロナが静かになっています。(どちらかと言えばインフルエンザの方が怖いかもしれません。なので$15.00かかるインフルエンザ予防接種代が2022年6月中はタダです。)現場が人手不足でどんなに大変でもその日の業務はやり遂げるしかないのです。そうしないと次の日の営業に差し支えます。また人手不足の上、学生さん達は宿題やテストなどの為仕事を休みがちになりますし 季節が冬のシドニーです。寒いんです。体調不良でも休んでしまいます。


VIVID Sydney ビビットシドニー


3年振りに開催された冬のシドニー風物詩であるビビットシドニー VIVID Sydney。 2022年5月27日(金曜日)から6月18日(土曜日)まで開催されていました。新型コロナウイルスの影響で2020年、2021年と中止になっていたこのイベント。楽しみにしていた人たちが多いのは当然の事。2022年無事開催されイベント自体は大成功のように見えます。が、それを受け入れる側の飲食業界はコロナ禍から続いている人手不足の上でこのシドニー市をあげた一大イベントを迎え撃たなければならなかったのです。多くのお客様がレストランに来てくれること自体は嬉しいことなのですが大変多くのお客様の来店。普段でも大変な状況なのに人手不足での営業です。現場はとんでもない事になりました。私はシドニー市郊外にあるレストランで働いていますがそれでもこの影響はしっかり有りとても大変でした。人手不足のため今や営業が終わってから次の日の仕込みを行います。帰宅が2時間以上遅くなる日はよくあります。本来なら営業中に少しづづ仕込みを行い終わらせていた業務です。営業自体は何とかなるのですが、同時進行業務の仕込みが出来ません。シドニー市内で働いている同業者に聞いても、皆さん同じ事を言ってます。
このイベント、ビビットシドニー VIVID Sydney、5月18日(金曜日)から始まりましたが5月中はそれほど慌ただしい感じではありませんでした。それでも普段よりは忙しいので大変な事は大変なのです。(イベント自体は多くの人達が訪れ賑わいを見せていました。)それが6月に入りグッと多くの人達が押し寄せてきた感じです。
人が集まるイベントが普通に開催されているシドニー。それは嬉しいことですが、人手不足が解消されないと働き手が(私が)もちません。。。。
ビビッドシドニーの公式サイトです。既に来年に向けてカウントダウンが行われています。
来年2023年は5月26日(金曜日)から6月17日(土曜日)の間開催予定です。


今の方がキツいかも?!
コロナ禍では誰もが予期せぬ出来事(ロックダウン等)に遭遇し自宅待機や見えない細菌(コロナ)と戦い、突発的な事が起こっても受け入れるしかない状況でした。それでもニューサウスウェールズ州政府からの補助があり生活が崩れるほどには至りませんでした。
ですが今のシドニー。
ニューサウスウェールズ州政府からの補助は無く、仕事をやらなければ収入が無い。なので何があっても仕事をこなさなければなりません。その仕事も人手不足のためコロナ前は5人でこなしていた業務を3人で、もしくは2人でこなさなければならない状況なのです。場合によっては公休出勤もせざるを得ない状況と、来店していただけるお客様を満足してもらう為と言えば聞こえは良いですがお店をどうにか回すために皆さん必死です。
学生さんに頼るしかない
2022年2月21日(月曜日)から入国できるようになっているオーストラリア。
約4ヶ月経ちました。今日に至るまで多くの新規入国者がいるのですがまだまだその数が足りていません。ですのでコロナ禍同様今働いているスタッフと上手く仕事を進めていくしかないのです。
私が働いているレストランを例に上げれば、私以外のスタッフは殆どが大学生です。なのでいくらスケジュールを立ててもその日になって、”実は先生とミーティングを行わなければならなくなりました。”とか、”宿題が多いので休みます。”とか、”授業(補習)が終わらないので今日出勤出来ません”等と学生さん特有の理由で休みます。
正直、ホントか?と思いますが、それを口に出すとそのスタッフは辞めていきます。そうなるとそれが他のスタッフに飛び火してどんどん辞めていきます。収集つかなくなるのが見えています。なのでこの手の理由を出される度に私の心は荒れ狂っていますが顔には出さすにその子を心配しているようにしてどうやって現場を回すか考え現場を回しています。
学生さん達も口に出しませんがわかっているヤツらはわかっています。なので自分達の都合の良い様にスケジュールを変えてきます。
それでも学生さん達がいなくなるよりマシと思うしかないのです。
体調不良
この理由でも突然休みます。
これも私が働いているレストランを例に上げれば、朝10時出勤のスタッフが午前9時50分頃、テキストメールで、”体調不良です。休ませてください”と連絡が来ます。勿論休んでもらいますが、そこにホントか?と思ってしまう自分がいたりします。これも上記の学校を理由に職場を休む感じと同じです。
体調不良を理由にされたら何も言えません。
時給が上がる!

人手不足の上物価の上昇も止まらないシドニー。フェアワークスFairworksも7月1日(金曜日)より最低賃金を$21.38にすると発表しています。

*フェアワークス Fairworks とは、パワハラや嫌がらせを受けたと感じた従業員が駆け込める合法的な機関です。ここを利用出来る条件は特にないので誰でも利用できますが、パワハラや嫌がらせを立証させるには一苦労。専門家や専門機関を利用する訳なので思っている以上にお金もかかります。
オーストラリアドルが$1.00=90円として、
$21.38X 90円=1924.20円。
昼間の普通のバイトの最低時給が1924.20円。1日8時間働いたとして、
1924.20円x8時間=15393.60円(一日8時間働いたとしてその給料)
いいお値段です。
勿論これは税込になりますが、それでも8時間労働でこの金額。レストランで一日勤務すれば普通この時間で収まりません。
それだけ今のシドニーの物価が高い事を意味しています。
ここにリアルが存在します。法律通りの時給に設定して求人募集をしても今は誰も応募してきません。それは何故か?理由は人手不足です。レストランに限らずどんな業種も人手不足。法律よりも高い時給設定にしないと募集しても見向きもされません。今いるスタッフですらどこか別のレストランや更に高い時給の他業種に行ってしまいます。誰だって高い時給の方がいいに決まってます。
高額時給の裏側
シドニーはどこもどの業界もどの仕事も人手不足です。
そして普通に求人募集を行っても誰も応募してきません。なので高額時給をうたい人を集めるしかないのです。
人が居ないと何も出来ない。ビジネスになりません。
人手不足でレストランが開けれない日が続く。。。ビジネスが終わる。。。
こうなったら元も子もありません。
レストランにしたってどんな職種でも必ずスタッフは必要です。
スタッフがいなければ仕事が出来ない。仕事にならない。
レストランを営業できない。。。
そうなるよりも高額時給をうたい人を集めるしかないのです。
これだけだと、バイト天国!仕事選びたい放題!!と思われますが高額時給の裏側が存在します。
それは、現場で働くスタッフの数を少なくすることなのです。普段8人で行っている業務を5人もしくは、4人で行うわけです。
例えば、コロナ前の時給を$20.00として、
時給$20.00×8人(労働人数)=$160.00(8人分の労働1時間の合計金額)
$160.00×8時間(8人が全員8時間働いたとしての1日の労働時間)=$1280.00(1日の8人分の給料)
今の時給$25.00として5人で行うとします。
時給$25.00×5人(労働人数)=$125.00(5人分の労働1時間の合計金額)
この時点でも$160.00-$125.00=$35.00と差が出ています。
$125.00×8時間(5人全員が5時間働いたとしての1日の労働時間)=¥1000.00(1日の5人分の給料)
1日の8人分給料が$1280。
1日の5人分給料が$1000。
こんな単純計算でも1日分の給料が$280.00も安くなる。これは5人で仕事を行った場合です。もし4人で同じ仕事を行えば計算しなくても分かります。更に人件費は少なくて済む。時給を高く出来る訳です。時給を$5.00($1.00=90円として450円。時給450円アップです。)上げたとしてもその分働く人数を3人少なくするだけで1日分の給料は$280.00($1.00=90円として25200円)少なくて済む。経営的にも困りません。
その分1人あたりに降り掛かってくる仕事量はとても多くなります。
高額時給に釣られて仕事を変えたり選んだりすればこういった事が待ち受けているのです。

物価の上昇
時給が高いからと言って良いことばかりではありません。モノがなんでも高いんです。
仕事して思っている以上に収入があっても物価が高いのでちょっと買い物しただけで思っている以上に支払わなければなりません。
金銭感覚が狂ってしまいます。
電気代
実は6月14日(火曜日)から既に始まっているこの電気代節約対策。シドニーがあるニューサウスウェールズ州(NSW)とゴールドコーストやブリスベンがあるクイーンズランド州(QLD)で実施されています。
ニューサウスウェールズ州(NSW)では、寒さの為暖房器具の使用量が増え商業施設や各家庭での電気使用量が増えています。この状態が続けば電力不足になってしまう恐れがあるので各家庭でむやみに電気を使わないようと、呼びかけています。医療関係や飲食店等の商業施設には今まで通り安定供給すると発表しています。
しかしこの状態が続けば、いつ何時から電気供給量を制限するって突然発表されそうで怖いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ボーダー(国境)が2022年2月21日(月曜日)に開いてから4ヶ月ほど経ちオーストラリアへの新規入国者やニューサウスウエールズ州(NSW)への新規入州者が増えてきていますが、いまだ人手不足は解消されていません。
コロナも過去のモノになりつつあります。
飲食業界やイベントに対しての規制はほぼ無いのでコロナ前と同じような感じです。なので飲食業界に関わらずどの業界も人手不足が大前提で事が進んでいます。
それで何事も済めばよいですが、何が起こるか分かりません。
今はこの状態ですが、これがまだ続くとなると現場にどんなひずみが出てくるか?
考えたくないモノです。