こんばんは、シドニーマンです。
ニューサウスウェールズ州の新型コロナウイルス新規感染者数が2022年1月24日(月曜日)以降、1万人を下回っています。この数字だけ見れば状況は良くなっているように感じますが、そうではありません。
人手不足はさらに深刻に
新型コロナウイルス。。。
このウイルスのせいで2020年3月下旬に最初のシドニーロックダウンがありました。
それから2021年12月までオーストラリアは鎖国状態でした。
それから現在に至るまで普段であれば入国しているであろう海外留学生やワーキングホリデービザの人達。この人達の入国が殆どありません。オーストラリア国内にいる海外留学生やワーキングホリデービザの人たちはビザの期限が切れるので帰国を選び母国に帰っています。(ビザの変更や延長は出来ますが全員がそれを行うわけではありません。ビザの延長を行う人たちもいますがどう見ても帰国を選ぶ人のほうが多いです。)
2021年12月中旬頃にもボーダー(国境)に関する規制が緩くなっていたと思いますが、このときはオーストラリア全土ではなくシドニーがあるニューサウスウェールズ州が対象地域だったと思います。
なので今だに日々誰かが帰国しているのです。
海外留学生やワーキングホリデービザ保持者の労働力を当てにして多くの仕事が成り立っているオーストラリア。
一例を上げてみると、
ファーム(農園)関係で言えば、ワーキングホリデービザの2年目、3年目と延長するためには、ある一定期間ファーム(農園)で働き証明書を受け取り申請すればワーキングホリデー2年目、3年目とビザの期間を延長することができます。ワーキングホリデービザの人たちは基本オーストラリア人ではありません。他の国からワーキングホリデービザを取得し来豪してきます。ということは皆さんの国籍はオーストラリア人ではない。他国の農業をなんの見返りも無しに行う事はとても考えにくいことです。勿論労働です。給料は受け取れますが、それならわざわざファームがある郊外に早朝からの肉体労働を行いに行きますか?
中にはそういった方やそれを求めている方もいると思いますが、そういった方たちだけでオーストラリア全体のファームジョブ(農園業務、農業)をまかなえきれるとは思いにくいです。
2022年2月21日(月曜日)から更なる規制緩和でボーダー(国境)も緩くなり観光目的でワクチン接種2回済ませていたらオーストラリアに入国しやすくなります。
この日以降にどれだけの海外留学生やワーキングホリデービザの人たちが入国してくるのか?
品薄、品切れは普通にある
今まで人手不足と言いながらもなんとか凌いでるような感があったオーストラリアですが、実際のトコロどの業界も人手不足すぎています。
コールスやウールワースの様なスーパーマーケットは本来閉店間際から品出しを始め深夜勤務で次の日の準備を行っていますが人手不足なので深夜勤務がほとんどありません。品出しも次の日の営業時に行っています。
なのでその時になってその日何の品が無いとか、本来なら朝オープン時には野菜が陳列されているはずの場所が品薄だったり品切れだったりといったことが起こります。その日に売られる予定の本日のセール品もその日の朝から品薄だったり無いときもあります。

本日のセール品がその日の朝から無いって。。。
私は今もシドニーにある日本食レストランに勤務しております。前日には次の日の営業のために各業者にオーダーをしますが次の日配達員が来て初めてこの品が無いとか検疫所に留まったままなので次回改めてオーダーしてくださいとか普通に言われています。また入荷してきてもオーダー量と入荷数が合わない場合もあるのです。
“入荷してきましたが現在のオーダー量からみて2週間後には無くなりそうです。”
と連絡が来たりもします。連絡が来ればよいですが来ない場合が普通です。
品切れです。out of stock
と無情に配達伝票にタイプされているだけです。
勘違いしてほしくないのは、どの業者も在庫管理は行なえます。ですが人手不足のため日々の業務を遂行するだけで精一杯なのです。例えば無理してその日頑張って仕事します。それが続くようになり、無理がたたり体調を崩します。体調を崩せばコロナウイルス(オミクロン株)感染の疑いが出てくる。PCRテストを受けなければなりません。PCRテストを受けて結果が出るまでの時間、仕事に出れない。そうなると現場の人手が今以上に足らなくなるのです。人手不足がひどくなるのです。今は無理してはいけないのです。出来る範囲で仕事をこなすしかないのです。
人手不足により、仕事が追い付かない、品薄、品切れになっています。
品薄、品切れに人手不足。トリプルパンチのシドニーです。
それでいて値上げ
私は日本のニュースを見たりもします。日本は親切だなと感心しています。なぜなら値上げの告知をしているからです。
私の経験上、こちらでは優しい業者は告知してくれますが普通告知してくれません。
シレッと値上げしています。
20セント、50セントごときは普通です。ナニゴトもないかのように1ドル、2ドル上がっています。モノによっては5ドルぐらい上がっています。
*1ドル=70円として、20セントは約14円。50セントは35円。2ドルは140円。5ドルは350円
なので配達された際検品しますが、配達伝票を見てその時、
”伝票の合計金額高くねぇ?!え!?こんなに値上げされてる!?“
と気が付きます。ここで配達員に値上げの件を言っても事務所に文句の電話を入れてもコトは解決しません。もうこの値上げされた金額に従うしかないのです。
こちらのスーパーでは告知無しで普通に値上げされます。
レストランとして業者から購入する場合卸値ですが、スーパーでは売値です。なので値上げ率が違います。値段が全然違います。
RAT(Rapid Antigen Test)が有料
RAT(Rapid Antigen Test)が気がつけば有料で市場に出回っています。
私もこのテストを初めて受けたのが2021年12月上旬。この頃はまだ無料で手に入っていました。シドニーでは2021年11月下旬からだったと思います。PCRテストの代わりにこのRAT(Rapid Antigen Test)テストが受けれるようになったのは。
このRATテストは自分でコロナに感染したかどうか調べれるキットです。
私も何度かお世話になりました。

2021年12月中旬頃にはこのRATテストを高額で販売するサイトが出回り始めたと記憶しております。今は一般的に無料で配布していないと思います。薬局等で販売しています。
自分がコロナ感染しているか知りたいから、でも購入してまでチェックするのは。。。と思うのが普通です。だってチョット前まで無料で受け取れていたのですから。そうなるとこのテストキットを求めコロナ検査場や病院に行きますよね。しかしそこでRATテストキットが欲しいと言っても受け取れません。症状があるか無いか聞かれます。無ければ自宅隔離を言い渡されます。そこで、気になるし無症状かもしれない、と頑張って交渉してもムダです。頑張って交渉しても(ゴネても)場所が場所です。厄介な人として扱われるだけです。大人しく購入するしかありません。
信じきれないコロナ新規感染者数
シドニーがあるニューサウスウエールズ州の新型コロナウイルス新規感染者数は毎日こちらのサイトで確認できます。
2021年12月下旬頃から爆上がりしそのまま年が明け1月8日(土曜日)45098人をピークに一日のコロナウイルス新規感染者数は減少傾向にあります。2022年2月に入り新規感染者数6000人以下が続いておりますが、この新型コロナウイルス新規感染者数減少の大きな要因の一つに感染チェック方法がPCRテストからRATテストに変わった事が挙げられます。
PCRテストはコロナ検査場もしくは病院やGP(一般医)で行われ検査結果が記録されます。なのでこの結果が上記のサイトに反映されます。今はPCRテストよりもRATテストの方を推しています。このRATテストは自分で感染したかどうかがその場で分かるキットなので自宅で簡単に出来ます。
病院や検査場、GP(一般医)でPCRテスト行いその結果が反映されることと、自宅でRATテストを自分で行う場合とでは検査結果が正確に分かりにくいのです。
となるとこのサイトに出てくる新型コロナウイルス新規感染者数はどこからくる数字なのか?
コロナ検査場や病院に行きPCRテストを受けた方や症状が出て病院にお世話になる方の数字だと思います。PCRテストが受けれないわけではありません。無症状や自分が感染しているのかどうか知りたいぐらいでは受けれないだけです。RATテストを自分で受け陽性(Positive)と検査結果が出れば自宅隔離か病院に行きます。病院に行けばそこでPCRテストを受け再確認されるか、症状を検査され医師の指示に従うかです。
学校始まる
シドニーがあるニューサウスウエールズ州のほとんどの学校は、前年12月下旬ごろから翌年1月末までが夏休みになります。このスケジュールは今年も同じです。ということは2022年1月は夏休みですが、2月から新学期が始まります。今まさに新学期が始まったばかりの状態です。
昨年12月下旬頃から新型コロナウイルス新規感染者数爆上がりしてきたニューサウルウエールズ州ですがその期間は夏休み。多くの児童が学校に通うことなく自宅にいる状態です。なので更なる感染拡大の被害が出にくかったですが、新学期が始まりました。
新学期が始まる準備として実は私の娘が通っている現地小学校からRATテストキットが無料配布されてきたのです。
これを使って子どもの感染状況を調べて。陽性(Positive)なら7日間の自宅待機
これが学校が意図していることです。
なので私の娘は定期的に嫁様がRATテストを行っています。
勿論今のところ陰性(Negative)です。
Boosterは?

ニューサウスウエールズ州(NSW)は、2021年12月には18歳以上のコロナワクチン接種率が93%を超えています。ですがオミクロン株の脅威もあり、3回目(Booster)を推奨しています。
昨年11月、12月頃は2回目接種後6ヶ月の期間を開けて3回目(Booster)を受けることが出来る。
とあったと思いますが、今年1月にはこの期間が短くなって2回目を終了した人はそれから5か月後には受けれるとありました。
それが2022年2月には2回目のワクチン接種が終了してから3ヶ月過ぎていれば3回目(Booster)を受けることが出来るとあります。
今月に入り私にもhealthNSWからBooster受けれますよと通知はきました。
私もワクチン接種2回目までは終わっています。Boosterを受けたほうがよいのでしょうが打たなかったからといってどうなるのでしょうか?
2回接種しているので重症化する確率が落ちているわけで州政府は、感染したのなら7日間の自宅隔離程度の規制です。感染は突然来ます。なので学校や職場突然休まなければならいので迷惑をかけることになりますが、今のこのご時世。これは致し方ないことだと思います。
誰も言葉には出せれていないので(言葉にすると波紋が広がるのがわかります。)感覚になりますが、ワクチン接種2回済ませているのだから、Boosterまではしなくてもいいんじゃないの?
って雰囲気は少なくとも私は感じています。
飲食業界はどうなる?

私は今も現役でシドニーにある日本食レストランで働いていています。
その立場からですが、今後のシドニー飲食業界はどうなるのか?
人手不足が解消しない限りズルズルと悪くなっていくような気がします。
今は人手不足に慣れてきてカフェやレストランの各現場では普段以上に定休日を設けたり営業時間を短縮したりして凌いでいるところが多いです。現に私が働いているレストランも定休日を増やしたり営業時間を短縮したりしています。突発的に、”本日臨時休業日”とお店の入り口に張り紙を張る場合もあります。それでも何も問題ないのです。
ここで私が働いているレストランを例に挙げると、
わたしとオーナー以外は現地大学生を採用しております。今月に入りほとんどの大学生は学校が始まりました。先月まではホリデーだったのでスケジュール作成に融通が利きましたが、今は彼らの学校のスケジュールの方が強く、
”この日は学校で仕事に来れません。”
”宿題が多くて仕事に行くと宿題が終わりません。急ですが休みます。”
そう言われるとこちらとしては何も言えないのです。(ロックダウン前に戻った感覚です。)どんなに多く採用していても学生ばかりだと同じような時期に学校が始まり、同じような時期にホリデーに入る。こちら側はその対応の追われっぱなしです。
致し方なく、”臨時休業”作戦を敢行しますが、生ものの処理や仕込みがあるので私は仕事をします。
この場仕事量が多いと他のスタッフにも出勤してもらいますがそうでなければ、私一人で済ませます。
これが繰り返されるのです。だんだんと心が蝕まれていくのがわかります。
同業者の友達に連絡しても、全く同じことを言います。
”あ~どこも同じだね。。。”
これが口癖になってしまっています。
2月21日(月曜日)から規制が緩くなり海外からの入国者の受け入れの窓口が広くなることは嬉しいことです。
”この日から一体どれくらいの入国者がいるのか?”
”この日から入国してくる人たち仕事につくまでにどれくらいの時間を必要とするのか?”
気になるところですが、2021年12月上旬にはボーダー(国境)は開いているはずです。しかしながら12月は何処の国もクリスマスや学期末で忙しい。そんな時期に入国してくる人たちはそんなに居ないだろうと思っていましたが、今に至るまで何も影響がないように感じます。
私はレストランに勤務しているので飲食業界視点で書いていますが、飲食業界だけでなくどの業界も慢性的な人手不足にドップリ漬かっています。皆さん疲れがだいぶ見えています。隠しきれていません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
コロナウイルス(オミクロン株)によって人手不足が蔓延し何かと気を使わないと生活しづらい感のあるシドニーの現状を垣間見れたのではないでしょうか。
2月21日(月曜日)、この日から入国に関して規制がユルクなります。この日以降どうなるのやら。
人の流れが出来るとコロナも動く。コロナを今は上手く抑えていても今後は?
だからといってこれ以上この状況が続けば、レストランやカフェも今後を考えないといけない状況に差し掛かるのではないでしょうか。人の踏ん張りが効かなくなってからでは遅いような。。。