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実は更に深刻なシドニーの人手不足。Sydney Manpower Shortage

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こんばんは、シドニーマンです。

2021年6月26日(土曜日)からのロックダウンも解除され、10月11日(月曜日)から始まった新型コロナウイルスワクチン接種終了者(fully vaccinated people)への規制緩和も大きな混乱も起こらず物事が進んでいます。

Dine&Discover Voucherも12月には再発行されるようですし、宿泊施設で使える新しいバウチャー(Stay and Rediscover)も発行してくれるようなので、それだけ見るとシドニーがあるニューサウスウェールズ州政府はとても頑張ってくれているように見えます。

COVID-19 business resources
Help for businesses and workers, including COVID-19 Safety Plans and guidance to stay safe now that restrictions in NSW have eased.

しかし現実は良い事ばかりではありません。

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より深刻な人手不足 Manpower Shortage

2020年3月に一度目のロックダウンがあったシドニー。その頃からワーキングホリデーや海外留学生の方々の新規入国が制限されてきました。それは今も続いています。シドニーのみならずオーストラリア全土で新型コロナウイルスの影響で入国制限が敷かれています。

観光業に至っては、この入国制限で多くの観光客も入国できていません。

観光大国オーストラリアでこれだと観光業は死活問題です。

オーストラリアにある多くの仕事はワーキングホリデーや海外留学生の労働力ありきで成り立っています。

例えば、

野菜、果物等の農作物を作っている農場や牛、ウマ等の動物を飼育している牧場等(ファーム)や私が従事している飲食業界等。こういった業界全てにこの入国制限は大きな壁となっています。毎日ワーキングホリデーや海外留学生の誰かが帰国しています。しかし全くと言っていい程新規入国者がありません。

それが1年以上続いているのが現状です。

日々すごい数の帰国者がいて、その分労働力が少なくなっているのです。

ここからは私が従事しているシドニー飲食業界にスポットを当てて実体験を元に掘り下げていきたいと思います。

シドニー飲食業界の現状は?

シドニー飲食業界における人手不足の現状は、どうなのでしょうか?

2021年6月26日(土曜日)から始まったとされているシドニーロックダウン。

2021年10月11日(月曜日)から新型コロナウイルスワクチン接種終了者(fully vaccinated people)には外食が可能になる規制緩和をニューサウスウェールズ州政府は発表し開始しています。

この今年のロックダウン期間中である3ヶ月以上は州政府の救済措置であるDisaster Paymentを受け取れていた人たちは仕事をしていなくてもそれに近い金額もしくはそれ以上の金額を州政府から直接受け取れたわけで、経営者としてもお店を閉めておけばよかったのですが(実際のところ、このロックダウン期間中は規制で持ち帰り業務(Takeaway)だけしか出来なかったのでお店を閉めているところ、ありました。)、10月11日(月曜日)からの規制緩和で多くの飲食店は店内飲食を再開しています。

規制緩和で店内飲食が可能となり、多くの飲食店が再開しているニューサウスウエールズ州。だからと言って都合よくいくわけありません。

バランスをとるのに大変

規制緩和が発表され実行されてカフェやレストランなどの飲食店で店内飲食が出来るようになったからと言って喜んでばかりではありません。

お店を運営するためにはスタッフが必要です。多くの人々はこの時期も州政府からの救済措置であるDisaster Paymentを毎週受け取っています。なので無理して仕事をしなくても良いのです。アルバイトの立場にいるのであれば、堂々とそれを理由に職場を休めます。もちろん社員もこの救済措置を受け取れますが、仕事が再開されるとなると職場によっては出勤しなければなりません。

出勤できる社員、出勤日数を調整したがる社員、出勤したくない社員。。。

社員の中にもそれぞれです。

無理やりは出来ないので、そのあたりのバランスが大事です。

ちなみに私は出勤しなければならない社員です。

救済措置は続いていた

ニューサウスウエールズ州政府が発表している救済措置、Disaster Paymentはロックダウン前から仕事に就いていて今回のロックダウンの影響で収入が減ったとされる人たち全員が対象となる州政府が発表している救済措置です。それが規制緩和された10月11日(月曜日)以降も続いていました。規制緩和されてもこの救済措置を受け取れていたのです。

これはどういうことかと言えば、

10月11日(月曜日)の規制緩和で店内飲食が可能となっているニューサウスウエールズ州全域の飲食店で働いている人たちは職場復帰が出来るのですが、この救済措置を受け取っている人たちは無理して職場復帰していません。

多くの飲食店で店内飲食が出来るようになり経営者や現場責任者は仕事に復帰していきました。自分たちだけで現場の業務が遂行できるのであれば問題ないですがそんな訳ありません。スタッフが必要です。在席しているスタッフに出勤してもらいたいのですが、この救済措置を受け取っているスタッフたちは何かと理由を付け職場に出てきませんでした。

仕事をしなくてもそれに近い金額、もしくはそれ以上の金額を州政府から直接受け取れているのです。無理しません。無理して出勤しなくても良いのです。

新型コロナウイルスが完全に撲滅したわけではありません。規制緩和されただけの事です。

理由はなんとでも作れます。その中そこを無理して出勤しろとはだれも言えません。

結果、スタッフは在籍しているが出勤してくれるスタッフは少ない。少ないスタッフで否が応でもお店を切り盛りしなければならないことになってしまっています。

どんな対応をしている?

州政府からの救済措置を受け取れているスタッフたちは無理して職場に出てきません。こんな状況が2021年10月11日(月曜日)から今も続いているシドニー飲食業界です。

だからといって現場も何もしない訳ではありません。

お店によって様々ですがそれぞれ何かしら対応しています。

店内に公表する

人手不足であることを店内に公表しちゃいます。

店内飲食が可能となっているシドニー飲食業界。お店としては嬉しいことですが在席しているスタッフはいるが出勤出来るスタッフが足らない。お店を回す事すら出来ません。

それでもお店を開けなければなりません。

思い切って店内に公表です。入り口に告知です。

本日、スタッフが足りません。通常よりも待機時間も食事を提供するまでの時間も20分以上かかります。

こうやって思い切って公表します。

お客様はシドニー在住者です。意味が分かっています。なぜなら人手不足はそのお店だけでは無いからです。どの飲食店も、どの業界も人手不足 Manpower Shortage なのです。待ってくれます。待ち切れないお客は帰っていきますが今はどこも人手不足。どこに食事に行っても待たされる訳です。

定休日を余分に設ける。

今の時期、人手不足はあたり前です。

その中無理やり営業してもせっかくこの時期来てくれているお客様を散々待たせたり、それ以上の不快な思いをさせては今後に響きます。それならこの時期だからこそ許される定休日を余分に作って対応です。

人手不足を逆手に取って定休日を普段以上に設定する。

前もって出来るのであれば、

毎週〇〇曜日は定休日とさせて頂きます。

と店内外に告知しておけば良いことです。スタッフのスケジュール調整などで前もってわからなくとも、

誠に勝手ながら本日定休日とさせて頂きます。

とその日になって店外に告知しておけば良いことです。

今の時期急にお店が休みになったからと言って文句を言うヒトは早々いません。

少人数で仕事を回せるようにする

出勤できる人数が決まっているので、そのスタッフでナントカできる限りのサービス、食事をこの時期にご来店してくれるお客様に提供する。

またレストランでもカフェでも直に食事を提供できるわけではありません。できる限りの仕込みをして少ないスタッフでナントカ営業にこぎつける。

公休返上で働く

お客様に頼るだけではいけません。現場もできることを行います。

そうなるともうがむしゃらに働くだけです。

開き直りです。今の時期、社員にしわ寄せが来るのは覚悟しておかなければなりません。公休を普通に消化できると思わない方が良いです。

実際私も2021年10月まともに公休を消化できていません。

時給の急激な上昇

どこも人手不足です。

定休日を多く設けたり、社員やその日出勤できるスタッフががむしゃらに仕事をしたりして、それだけでことが済めば良いですが、これはその日だけではありません。次の日、その次の日とスタッフ不足(人手不足)が毎日続きます。頑張っているスタッフもそのうち疲れが出ます。いつまで立っても人手不足が解消されないのであれば、条件が良い方になびきます。そうなると更に人手不足。公休無しだろうが少ないスタッフで営業しようがムリです。

条件を良くしてスタッフの流出を防ぐのです。

新型コロナウイルスの影響で鎖国はいまだに解かれていません。鎖国が解かれないと新規入国者が来ません。ワーキングホリデーや海外留学生などの新規入国者が入国しなければこの問題は解決しないように私は思います。毎日帰国者だらけのオーストラリア。どんどん労働力が少なくなっています。

それでも飲食店はお店を開けなければなりません。今いるスタッフに何とかして出勤してもらうしかないのです。

そのためには、コンディションを良くする。時給を思い切って上げる。

今シドニーシティー中心部の飲食店の時給は$24.00以下は無いようです。(シドニーマン調べによります。)週末に至っては時給$30.00を超えています。

単純に一日8時間仕事をしたとして、

8時間X時給$24.00=$192.00(一日の収入)

1週間平日5日働いたとして、

$192.00X5日分=$960.00

けっこういい金額です。

$1.00=70円だとして、時給$24.00=1,680円。

上記の計算で行けば、一日8時間勤務として1,680円X8時間=13,440円

一日の給料13,440円

それを週5日勤務として

13,440円X5日=67,200円。

いい給料ですよね。

この計算には週末勤務を入れていません。平日勤務のみでシュミレーションしています。また私の経験上、飲食店に1日勤務して8時間で収まる訳ありません。

ということは。。。

もっと高く給料を受け取れる可能性がある。

Disaster Paymentを受け取るよりも遥かに良い金額です。

そっちに移りますよ。

今後の展開

ニューサウスウェールズ州政府は2021年11月からもさらなる規制緩和を発表しています。

その中に、カフェやレストランでの予約の制限が無くなる事も発表しています。

現状の人手不足に予約の制限無し。

この規制緩和でレストランやカフェの現場への影響はどうなっていくのでしょうか?

救済措置は終了

州政府から直接受け取れることができる今回の救済措置 Disaster Paymentですが受取額を縮小しつつ終了しました。

ニューサウスウェールズ州内のコロナワクチン接種率が80%に達した週の次の月曜日から条件が代わり、その次の週で終了と州政府から発表されておりタイミングよく10月末で終わりました。

学生達は

州政府からの救済措置 Disaster Paymentも終了している2021年11月。

この救済措置を受け取っていた学生達は職場に戻ってくるのでしょうか?

実はまだ難しいのです。

皆さんそれぞれ様々な学部に通っています。その学部によって宿題(Assignment)の量が多くなっていたり、試験があるのでその週は仕事に出れない。と学校が忙しいのです。

まだまだこの現状は続きそうなのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

2021年10月11日(月曜日)以降、規制緩和、救済措置 Disaster Payment の縮小、終了。11月1日(月曜日)からのさらなる規制緩和など生活に響く事柄が起き世の中が揺れているシドニーです。

小中学校も対面授業が再開しています。

この状況でお店の運営を続けるのはナカナカ厳しいものがあるように思えます。

12月に入るとさらにさらに規制緩和がされる模様のシドニー。

例年であれば各レストランには、忘年会やクリスマスパーティーの予約が入ってきます。

今年今まであった予約の規制も緩和され予約の制限が解除されています。

この人手不足 Manpower Shortageの中、どうコントロールしていくのか?

今頑張って踏ん張っているスタッフがどれだけもつのか?

それでも現場にいる私達は踏ん張るしかないのです。