こんばんは、シドニーマンです。
シドニーでは6月第2月曜日にQueen’s Birthday(クイーンズ・バースデー)という祝日があります。
クイーンズバースデー Queen’sBirthday とは?
そもそも、このクイーンズバースデーとは?
このクイーンズ・バースデイーとは、イギリス女王エリザベス2世の誕生をお祝するための祝日で、英連邦王国の元首で英国王室の長を祝う日(祝日)のことです。
英連邦王国に属している国々(ニュージーランド、オーストラリア、カナダなど)で行われております。
現在のイギリス国王は、1926年4月21日生まれのウィンザー家のエリザベス2世女王陛下です。女王陛下なのでクイーンズバースデーですが、王様の場合は、キングズバースデーとなります。
この、クイーンズバースデーは公式行事としての祝典を催す日であるので、実際の誕生日と違う日に祝う形になっております。イギリス本国では、女王陛下公式誕生日行事であるため“クィーンズバースデー・パレード(Queen’s Birthday Parade)”を行っています。
これはTrooping the colourとも呼ばれております軍隊パレードのことです。
イギリスで6月に公式誕生日行事が行われるようになったのは、イギリス国王・エドワード7世(在位1900-1910)が、天候の良い時期に変更したことが始まりとされております。実際の誕生日である、4月21日には公式式典などは無いですが、イギリス国民は自ら公共の建物に国旗を掲揚されたりして祝っているようです。
実名はエリザベス・アレクサンドラ・メアリー(Elizabeth Alexandra Mary)と言い、彼女が即位したのは、1952年2月6日です。イギリスの歴史の中で最も高齢だったのは、ビクトリア女王ですが、エリザベス2世女王陛下は、2007年12月20日、ビクトリア女王(在位63年7か月)を抜いて最高齢の君主となっています。
ちなみに、
英連邦王国とは?
英連邦王国(Commonwealth realm)とは、イギリス国王(現在の国王は、エリザベス2世女王陛下)を元首として仰ぐイギリス連邦の加盟国であって、2020年現在、ニュージーランド、オーストラリア、カナダなどを含め計16カ国あります。
日本では馴染みが無いですが、イギリス連邦王国ないし、コモンウェルス レルムとも呼ばれており、英連邦王国だけで行われるオリンピックに負けないぐらいの大きなスポーツ大会まであります。
コモンウェルス・ゲーム(日本語ではしばしば「英連邦大会」と訳されます)
このコモンウェルス・ゲームとは、
4年に一度開催されており、毎回、世界最大のスポーツ国際大会である夏季オリンピックの2年後に行われ、参加各国の一流アスリートにとってはオリンピックに次ぐ格を有する大会として位置付けられております。
オーストラリアにおけるクイーンズバースデーとは?
“クイーンズバースデー Queen’s Birthday”がオーストラリアの祝日として制定されたのは、オーストラリアがヨーロッパの植民地であった時代まで遡ります。
1788年、植民地・オーストラリアの提督であったアーサー・フィリップ(Arthur・Phillip)が当時のイギリス国王・ジョージ三世(在位1760-1820)の誕生日6月4日を祝日として制定したことから始まったと言われております。それ以降オーストラリアでは、君主の実際の誕生日が“Queen’s Birthday”もしくは“King’s Birthday”として祝われてきました。しかしイギリス国王・ジョージ五世(在位1910-1936)崩御後の1936年以降、6月は“Queen’s Birthday”と制定されました。
6月の第2月曜日に“Queen’s Birthday”を制定したあたりが、私はオーストラリアらしさが出ていると感じています。
それは、土曜日、日曜日ときて、月曜日の“Queen’s Birthday”で3連休。いわゆるロングウイークエンドにしているところです。また、同じ”Queen’s Birthday”なのに、西オーストラリア州では6月ではなく9月最後の月曜日か10月最初の月曜日に制定されています。その理由は6月最初の月曜日にファウンデーション・デー(Foundation Day)と呼ばれる西オーストラリア州独自の祝日があるからだそうです。
クイーンズバースデーの楽しみ方。
毎年“Queen’s Birthday”の日には、AFL(Australian Football League)の大人気チーム、コリンウッド(Collingwood Magpies)とメルボルン(Melbourne Demons)の試合が行われます。会場であるMCGには大勢のフットボール・ファンが連休最後の日を楽しむため押しかけてきます。(ちなみに場所はメルボルンです。シドニーではありません。)
その他に、“Queen’s Birthday”当日に花火が上がるかもしれません。と言っても、シドニーではなく、シドニーがあるニューサウスウェールズ州のワイアンガラ Wyangalaからですが。
また余談ですが、“Queen’s Birthday Weekend”の期間だけ、オーストラリア首都特別地域のキャンベラで唯一オーストラリアで花火を公的に買うことの出来るのです。思い切ってキャンベラへ行ってみるのもアリかもしれません。
そしてシドニーでは、クイーンズバースデーが過ぎれば冬到来と捉えております。
クイーンズバースデー、オーストラリア国内で、日にちが違う?
面白い事に、このクイーンズバースデーは州によって祝日が違うのです。
6月の第2月曜日は、西オーストラリア州とクイーンズランド州を除く全ての州と準州では「クイーンズ・バースデー」の祝日となります。
西オーストラリア州は9月30日(月)、クイーンズランド州は10月07日(月)が「クイーンズ・バースデー」の祝日となります。
ちなみにお隣のニュージーランドは6月の第1月曜日。
祝日に外食すると割高になる?!
クイーンズバースデーに限らず、オーストラリアではレストランなどのサービス業は祝日割増料金を設定しているところが多くあります。
これは、オーストラリアの法律で、祝日働く人の時給が高くなるよう決められており、それを補うために祝日割増料金が設定されております。ですのでレストランなどのサービス業は祝日割増料金を取らず、敢えて祝日を休みにしたり、店を早く閉めたりと、各店舗ごとに工夫がされております。