こんばんは、シドニーマンです。
世界中に猛威を奮っている新型コロナウイルス。72000人以上が感染もしくは被害に合っていると言われております。
その新型コロナウイルスの影響で 日本の横浜に2週間以上停泊を余儀なくされている乗客乗員約3700人を乗せているクルーズ船、ダイヤモンドプリンセス号。その中15日付で感染者数が280人以上と報道されております。
日本のニュースでは主に日本人の被害報告が連日民法各局で報道されておりますが、(船内の感染者だけでも尋常でない増え方を日に日にしている。)この船の中には日本人だけでなく外国人もたくさん滞在しております。その外国人も船の中から出れない状態にあるのです。そしてその中にオーストラリア人も含まれております。
アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア各国はチャーター機を用意し自国民の救助、退避に追われております。韓国、香港もこの流れに沿って対応していくと発表しております。
オーストラリアは先日、パース沖にあるクリスマス島の施設に14日間滞在し経過を見て本土に帰国できる措置を取っております。
こちらのサイトでは、新型コロナウイルスの影響で メルボルンに住む家族が第一便でクリスマス島に移り、写真で日替わりの様子を説明しております。
そして17日の発表では、オーストラリアのモリソン首相は日本の横浜港に停泊中のクルーズ船”ダイヤモンド・プリンセス”に乗っている自国民約200人を早急に帰国させることにしたと明らかにしました。またオーストラリア人乗船者のうちほとんどが高齢者だとも伝えております。
今回のモリソン首相の言動には「乗船者と家族がこうした方針に非常に不満に感じることを理解している。しかしわれわれの一番の責任はオーストラリアに住むオーストラリア人の健康と安全を保護すること」との意味合いが含まれております。
そしてカンタス航空と共にチャーター機を用意して自国民の救助、退避をしていく動きを見せております。
この中にはお隣のニュージーランド人も含まれており、まずオーストラリア北部にあるダーウィン付近にこのチャーター機は到着し、そこで14日間は滞在しなければならない。その間検査は受けることなるでしょうが、その後陰性であれば、帰国手続きが行われ、帰路に立てることになる予定です。
また、 厚生労働省は、クルーズ船”ダイヤモンド・プリンセス”から新型コロナウイルスの検査で陰性が確認され、症状が現われていない乗客約500人程度が下船を19日午前から開始することを発表しました。
こちらのサイトでは、2月20日午前9時41分(ダーウィン現地時間)にチャーター機が到着し検疫等検査を受けるため14日間隔離しなければならない事を伝えております。(動画あり。英語です。)
その他にも、

オーストラリア政府の公式サイト、”Australian Goverment Department of Health”でも、新型コロナウイルス(COVID-19)について触れています。
クルーズ船での新型肺炎対策として、国際法・ルール上の制約があることや、明確な規定が存在しないことで、各国政府の対応を難しくしている面があると感じます。
ダイヤモンド・プリンセス号は英国船籍であるため、日本の領海に入るまでは英国の法律が原則適用されており、日本政府は当初、感染防止のための措置を取れなかったとしております。世界保健機関(WHO)が1月30日に緊急事態を宣言した後でも、船内ではパーティーが開かれるなど、コロナウイルスに対しての危機感が薄く、感染防止策が十分に取られていなかったとも言われております。
ダイヤモンド・プリンセス号の乗客乗員すべてを現在停泊している横浜、つまり日本に入国させて病院に収容、検査、隔離を行うには、病院、医療関係者などの制約があり、現実的に困難であるのは明白です。また、ここに多くの費用、人材を投入すれば、国内での新型コロナウイルス対策全体が疎かになる可能性は非常に高い。また、その負担の多くは日本国民の負担となる。乗客乗員の構成に応じて各国間で負担を分けるといったルールは、今は存在しないため、各国からの動き、援助に頼るしかないが現状のような気がします。
調べたところ、国際法上の規定がないクルーズ船での感染症対策については、人道上の観点や各国の責任のあり方や費用負担などに関して、ルールがハッキリしておりません。
我が祖国日本で起こっているこのダイアモンドプリンセス号内での新型コロナウイルス感染、増殖。
クルーズ船への対応を巡ってニュースを見ているだけでも各国間での不信感が強まり、責任の擦り合いが垣間見えております。それにより、今後ウイルスとは関係ない部分での各国間の協力体制が崩れるような事だけは避けてほしいと切に願います。