こんばんは、シドニーマンです。
日本に建国記念日として祝日があるのと同様に、オーストラリアにも建国記念日があり、「オーストラリア デー」と呼ばれております。
この日は毎年1月26日に制定されており、パブリックホリデー(祝日)となっています。
*ただし、こちらのパブリックホリデー公式サイトでは、2011年12月31日より、このオーストラリア デーが土曜日もしくは日曜日になるのであれば、次の週の月曜日が振替休日として扱われるとあります。 From 31.12.11 when Australia Day (26th of January) falls on a Saturday or a Sunday, there will be no public holiday on that day, as the following Monday will be declared a public holiday.

2020年の今年は1月26日は日曜日になりますので、翌日27日が振替休日となります。
オーストラリア デー Australia Day とは?
1788年1月26日、イギリスの艦隊がオーストラリア本土に初めて上陸したことに因んで、この記念日が制定されました。現在では当日に首相からの言葉や授賞式なども行われ、その様子はテレビで生中継される程の一大イベントとして定着していますが、それも1994年以降になってからのことで、それ以前は、それほど式典やイベントは行われていなかったようです。
今では国民の多くがこのオーストラリアの建国を祝うのですが、未だにそれを良しとしない人々がいるのも事実です。
それは、先住民であるアボリジニの方々です。
もともとはオーストラリアに住んでいたのが、”アボリジニ”という民族です。アボリジニは5~6万年前からオーストラリアの地で暮らしていた先住民ですが、 この日(1788年1月26日)にイギリス人が艦隊でオーストラリアに移住を開始し、植民地化していった訳です。アボリジニは後からやってきた白人たちによって土地や食料を奪われ、迫害され、多くの人が殺害されました。
つまり、この日はオーストラリアの「植民地化」が始まった日ということになります。
なので彼らから見ると侵略の日になります。
アボリジニ擁護団体や一部組織では、この日を受け入れず拒否しているとも言われており、毎年、いろいろな都市、場所で再考を呼び掛ける抗議デモ「インベージョン・デー(Invasion Day、侵略の日)」が各地で開催されております。
つまり、後から来た白人たちの都合で、先に住んでいた民族を無視して、この1月26日から「新しいオーストラリア」が始まったということで、記念日としてオーストラリア誕生を祝っているのです。この日以降、白人の移民は増え続け、今のオーストラリアに至るわけです。
現在アボリジニの人口は90%以上減少し、オーストラリア人口の3%程度となっています。シドニーやメルボルンなどの大都会の中心部ではあまり見かけませんが、ケアンズやパースではよくアボリジニを見かけることが出来ます。

そんな複雑な事情がありますが、私たちはこの国に居る以上、それらを理解しながらもイベント自体を楽しむのが良いのかと思います。
オーストラリア デー イベント

オーストラリア全土の各地では様々なイベントが行われ、オーストラリアの建国を祝うという意味で多くの人々が催事に訪れ祝います。
当日は、オーストラリアの国旗を身にまとっている人や、顔や体にオーストラリアの国旗模様のペイントをしている人など、体中で「オーストラリア」をアピールしてくる人が大勢出てきます。
各イベント会場では、食べ物や飲み物の露店はもちろんのこと、歌とダンスのライブや、トークショー、展示物など様々な催しものがあります。
キャンベラでは市民権の授与式が行われる日
この日は移民としてきた人たちが、新たにオーストラリアの市民権を取得する日でもあります。
キャンベラでは、首相から市民権を取得した人たちへのお祝いも有ります。
まとめ

(左:アボリジニの旗、右:オーストラリア国旗)
なかなか当事者ではないため、イメージすることが難しいかもしれませんが、 もしみなさんがオーストラリア人だとして、また、アボリジニーの子孫だとして1月26日のオーストラリアデーをどのように迎えますか?
長年居るので感じますが、特に深い意味や感情はなく、ただ単にオーストラリアの建国を祝っていたり、家族と友人と楽しい時間を過ごしたり、この日を一つのお祭りとして楽しんでいるのように私は見えます。